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骨粗しょう症の予防には、「骨」を知ることが大切です

日本は世界でもトップクラスの長寿国であり、近年では単に寿命を伸ばすだけでなく、「健康寿命」を延ばすことの重要性が注目されています。
日本人の平均寿命と健康寿命の差を比べると、男性で約9年、女性では約12年もの差があり、この差の要因のひとつに骨折による寝たきりがあると考えられます。つまり、骨粗しょう症を予防して骨を健康に保つことは、健康寿命やQOL(生活の質)を維持するためにとても大切です。

骨の量は男女とも20歳頃に最大となり、40代半ばを過ぎたあたりから緩やかに減少していきます。とくに女性は、閉経による女性ホルモン分泌の低下に伴い50歳頃の閉経前後の数年間に骨量が急激に減少してしまうため、男性より2〜3倍も多くの人が骨粗しょう症になっています。また、男性も高齢になるほど患者数が多くなる傾向にあるため、性別に関わらず注意が必要です。

 

まずは骨粗しょう症のリスク度をセルフチェック

個人差はあるものの、誰しも年齢を重ねるごとに骨がもろくなるリスクは高まります。まずは次のチェック表で、ご自身に骨粗しょう症になるリスクがあるかどうかを確認してみましょう。

あなたの骨チェック
  • 最近身長が縮んだ・背中が丸くなったと思う
  • 閉経後の女性である
  • 体格が細身である
  • 両親のどちらかが太もものつけ根を骨折したことがある
  • 喫煙習慣がある
  • 日常的にお酒を飲む量が多い
  • カルシウムを意識した食事をしていない
  • 日光に当たる時間が少ない
  • 関節リウマチ、副甲状腺機能亢進症と診断されたことがある
  • 糖尿病や慢性腎臓病で通院中である
  • グルココルチコイド(ステロイド)薬(服用・吸引など)を使用している

上記のいずれかひとつでもあてはまる場合は、骨がもろくなっている可能性があります。
骨粗しょう症の予防や治療には早期発見が大切なため、「骨密度測定」など骨の状態について検査を受けることをおすすめします。

 

また、骨をじょうぶに保ち、骨折を予防するため、食事や運動など普段の生活でも次のような点に気をつけていきましょう。

日常生活での注意点
  • 家庭内で転倒のリスクを減らす工夫を
    家の中の段差や荷物、コードなどの障害物を極力なくして転倒リスクを減らしましょう
  • 外出時は「転ばぬ先の杖」が大切
    ぬげにくい・すべりにくい履き物をはく、杖を持って出かけるなど、外出先で転ばないよう注意しましょう
  • 骨をじょうぶに保つ食事を
    骨を強くするために、骨の成分であるカルシウムとたんぱく質を積極的に摂りましょう。カルシウムを吸収しやすくするビタミンDと、骨をつくるために必要なビタミンKも忘れずに
  • お日様の陽をあびよう
    食事で摂ったビタミンDをよく働かせるには、日光に当たる必要もあります。1日10分以上は戸外で過ごすようにしましょう
  • 適度な運動を習慣に
    動かずにいると骨は劣化し、寝たきりになると10倍以上の速さで骨の量が減っていきます。運動習慣をつけることは、足腰の筋肉やバランス感覚の強化にもなり、転倒防止にも役立ちます

骨がもろくなっているかどうかを知る指標として代表的なものが「骨密度」です。骨密度は、若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%であるかで表され、80%未満になると要注意、70%以下まで減ると骨粗しょう症と診断されます(骨折したことがなく、他に骨密度を減らす病気などがない人の場合)。
骨粗しょう症になると骨折が起きるリスクが高まるので、はやめに診断を受け、食事や運動療法に加え、場合によっては骨を強くするお薬などによる治療をすこしでも早く始めることが肝心です。

当院では、今秋より骨密度測定装置を導入し、骨粗しょう症の診断もおこなっています。レントゲンのような感覚で、痛みもなく10分程度で完了する検査です。まずはお気軽に、ご自身の骨密度を測定することから骨粗しょう症予防をはじめてみませんか。

 

骨粗しょう症については、こちらのページでもくわしく紹介されているのでぜひご覧ください。

骨だいじょうぶ.com
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